ラ・ラ・ランド(大人よ、頑張ろう!)
観てきました。
デミアン・チャゼル監督の前作「セッション」も素晴らしい作品でした。
ラ・ラ・ランドも素晴らしい作品です。
映画好きの両親の影響もあり、幼少期よりかなりたくさん映画を観てきた私です、たまに映画を評論したくなったりします。
ですが、今回は私の興味の対象は作品そのもの以上にチャゼル監督にあります。
セッションしか観ていない段階ではそこまで思わなかったのですが、センションを観た上でのラ・ラ・ランド観劇、私は重たい気持ちで映画館を後にしました。
何がこれほど重たい気持ちにさせるのか、理解できるのに数日かかりました。
ラ・ラ・ランドはめちゃくちゃ計算されつくした作品と私は感じます。
アカデミックな知識を持ち且つそれの活かし方を熟知した人の手法とも感じます。
ビジネスのノウハウも緻密に入り込んでいます。
そして、何よりも音楽が良い。音楽への愛に溢れていますし、その知識の深さも感じられます。
すごいです。
これほどの物を完成させることのできる人は一体どんな人なのか。
ものすごい知識量の持ち主です。
それなりの年齢なのでしょうか、作品からは老猾さすら感じられます。
ですが一方で、若さゆえとしか考えられない荒削りさがこれまた作品の魅力になっています。
チャゼル監督は現在32歳です。
ハーバード大学卒です。
チャゼル作品の音楽のすばらしさを完成させている作曲家は、チャゼル監督とハーバード大学時代にバンドを組んでいた学友です。
もう何がなんだか…
作品の肝となっている二人はハーバード大の学友なのです。
途中、いろいろと思う所はあるのですが、長くなりますので割愛します。
結論から書きますと、膨大な知識量を持ち且つ若いからこそできた作品、それがラ・ラ・ランドと私は感じました。
信じられないほどの膨大な知識と経験値を、20代で持ち合わせていないと作ることのできない作品です。
日本にそのような若者がいるでしょうか?
私たち日本の大人はそのような若者が育つ土壌を育成できていない…
そのことに私は打ちひしがれたのだと思います。
日本の内向き志向が問題となっています。
ですが、どれだけの大人が我がこととして真剣に問題意識を持つことができているでしょうか。
医学科進学、素晴らしいです。
東大への進学、素晴らしいです。
ですが、それぐらいの頭脳の鍛え方をしていて当然、その頭脳を持ちながらさらにそれを鍛え続け、プラスそれ以外の才能も磨き続けることができる人。
世界の基準は日本の基準よりもはるかに高く設定されていることに改めて痛感させられました。
持てる者が全てを持っていく。
今の若者は、20代で何らかの形で成功しておかないと世界では太刀打ちできないかもしれない…
厳しい現実を見せつけられたことに心がざわついたのだと思います。
私たち大人は、もっと目線をあげて、しっかりと生きていかないといけないなぁと、まだまだ頑張らないといけないんだぁ、あ〜しんど、と自分のやるべきことに気づかされ(いえ、気付いていたのですが、できれば楽な方に行きたいというのが私です^^;)、一般論語りから一気に現実に引き戻されています。
頑張ります…